ハードウェア サポート
By Corbet - January 26, 2009 - 12:11pm
(原文はこちら)
内容 |
NVidia グラフィック アダプター
NVidia では自社のハードウェア向けにバイナリオンリーのドライバーを提供していますが、多くのディストリビューターは、それを出荷していません。Nouveau (ヌーボー) プロジェクトは、この代わりとなる無償のドライバー セットを開発しています。コミュニティによって開発され、メンテナンスが行き届いている 2D レンダリング専用のオープン ソース ドライバーがあることを忘れてはなりません。
予報: このプロジェクトは順調に進行しています。最近では、寄付金募集キャンペーンで大きな基金の提供を受けています。Fedora ディストリビューションは試験的に nouveau ドライバーの配布を始めました。数ヵ月もすれば製品レベルの品質になるでしょう。
詳細情報:
- The state of the Nouveau project (January, 2007)
AMD/ATI グラフィック アダプター
ATI アダプター は、長年にわたりベンダーからのサポートが不足しています。しかし 2007 年に ATI がドキュメントのリリースと開発者コミュニティへのサポートを開始し、状況が変わりました。
予報: 作業は、Linux カーネルと連携する新世代の ATI チップセットを開発する方向で、引き続き進んでいます。この問題は 2009 年末までに解決するでしょう。
TTM メモリ マネージャー
最新のグラフィカル プロセッシング ユニット (graphical processing units: GPUs) には複雑なメモリ管理が必要ですが、これまでは、カーネル コード、X window system サーバー コード、およびプロプライエタリ モジュールを複雑に組み合わせた非標準の方法で処理されていました。この状況は大変改善されているようです。そのように感じる根拠は色々ありますが、その 1 つが、「トランスレーション テーブル マネージャー (TTM)」 メモリ管理コードです。TTM は、デバイスをクリーンかつ堅牢にサポートするグラフィック アダプターのメモリ管理ニーズを最初から見極め、適切にサポートしようとします。
予報: 初期バージョンの TTM 実装が 2.6.25 でマージされる案がありましたが、実現しませんでした。TTM の代わりに、Intel のグラフィック ドライバー用の GEM がマージされました。しかし TTM も ATI ハードウェア用ドライバーの重要なコンポーネントです。TTM のバージョンは最終的に 2.6.31 のメインラインにマージされました。
詳細情報:
- Memory management for graphics processors (November, 2007)
GEM メモリ マネージャー
TTM に取り組んでいた開発者は、API で多くの難題にぶつかりました。最終的に、Intel の開発者数人は断念し、GPU 向けに自社のメモリ マネージャーを実装しました。GEM は現在 Intel チップセット用の 3D 技術の開発に使用されており、他のドライバーにも導入されています。
予報: GEM (Intel i915 ドライバーでサポート) は 2.6.28 にマージされました。2.6.29 におけるカーネル モード設定サポートの追加は、長年の願いである「Linux での最高品質 3D グラフィック サポート」が実現する兆しです。
詳細情報:
- GEM v. TTM (May, 2008)
Atheros チップセット
多くのノートパソコンや無線ルーターに使用されている Atheros 5k チップセットには、Linux 向けの無償ドライバーがずっと提供されていませんでした。OpenBSD にはドライバーがありましたが、法務的問題で Linux カーネルにマージできませんでした。その問題は、Software Freedom Law Center による監査が終了すれば解決し、ath5k ドライバーをマージする道が開けそうでした。結果的に ath5k は 2.6.25 にマージされました。
その後 Atheros は、よりオープンな新しいポリシーを導入し、コミュニティ出身の開発者を採用しました。この企業は 802.11n 向けの新しい "ath9k" ドライバーを開発し、これが 2.6.27 でマージされています。Linux カーネルのメインラインにおける Atheros サポートの動きは速く、最高品質に近づいています。
予報: これを書いている時点で、メインライン カーネルでほとんどの Ahtros チップセットがサポートされているようです。
詳細情報::
- Toward a free Atheros driver (November, 2006)
- The case of the unwelcome attribution (September, 2007)
ユーザースペース ドライバー
理由はさまざまですが、一部の開発者やベンダーは、デバイス ドライバーをユーザー スペースに実装することを好みます。たとえば、開発が簡単であることや、カーネル内のコードに必要な GPL ライセンスについて考える必要がないこともその理由です。ユーザースペース ドライバーを実装するためのフレームワークは数多く存在しますが、その多くには、システムの安定性を危険にさらしかねない設計上の問題があります。昨年 1 年間ほど、コア カーネル開発者の一部は、ユーザースペース ドライバー エフォートを統合してカーネルの安全化を高める標準ユーザースペース ドライバー フレームワークの実装に向けて作業していました。
予報: この UIO パッチは2.6.23 にマージされました。
詳細情報:
- User-space device drivers (January, 2004; this code seems to be abandoned)
- Support for drivers in user space (September, 2006]
- UIO: user-space drivers (May, 2007)
パワー マネージメント
Linux における適切な電源管理実現への取り組みは、数年がかりで行われています。長い間、この作業は主に (1) ACPI に適切に準拠する、(2) サスペンドとハイバネートを適切に実装する、のいずれかでした。これらの作業はほとんど終了したため、最近は実行時のパワー マネージメント、つまり実行中のシステムの電力使用量を最小限に抑えることに重点がおかれています。
予報: パワー マネージメントのコア (Rafael Wysocki が最初に記述) は何度かのレビューを経た後、2.6.32 でマージされる予定のようです。このコードにより、実行時のパワー マネージメントを適切に行うための大量のインフラが Linux に追加されますが、実際にそのコアを使用するには更なる作業が必要です。パッチはテスト中ですが、このコードが 2.6.33 より前にマージされることはないでしょう。
詳細情報:
- Runtime power management (August, 2009)

This work is licensed under a Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License.



