スパコンのニュースに隠された意味とは?

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トップ 500 プロジェクトは、年に 2 度、世界最高速のスーパーコンピューター リストを発表していますが、 最近の発表でも、やはり Linux がリストのトップを独占しています。Linux は 2000 年代半ばからずっと優位を保っているので、特に驚くことではありません。実際、スーパーコンピューティングにおける Linux のシェアは、デスクトップ分野における Microsoft の記録とよく似ています。一歩下がって、こうしたコンピューターの性能を全体的に眺めたり、Linux の台頭がスパコンの地理的な広がりにどう影響しているかを見てみるのも興味深いと思いました。

誰でも、「トップ 500 のうち Linux システムが何個占めているか」に注目しがちですが、Rmax パフォーマンス値 (実効性能値) で表される興味深いデータがあります。Rmax は、HPL (High-Performance Linpack) ベンチマークの結果によるコンピューターの最高性能を Gflops (Giga Floating point number Operations Per Second) 単位で表したものです。いろいろな意味で、これは非常に深い数値です。なぜなら、このリストからは、個々のコンピューターではなく、あらゆる性能の本質を読み取ることができるからです。(今回、Linux の総合的な計算力は 38% 増加しましたが、実は 5 つの Linux システムがトップ 500 に入れませんでした。)

このリストにおいて、Linux が総合的な計算力で優位を占めているのは、驚くことではありません。Linux は 10 位までのコンピューターのすべてで使用されていますが、1 位と 12 位のマシンの処理能力には 10 倍の開きがあり、下に進むほど、さらに差が広がります。Linux システム以外で最初にランクインしているのは、40 位です。

スパコンは、Linux が誕生する前から盛り上がりを見せていましたが、2000 年代中ごろになると、Linux を利用したマシンが圧倒的に多くなりました。事実、これまでの OS 別トップ 500 の Rmax 結果を見ると、Linux はスパコンで上位をほぼ独占しているほか、2005 年から急激な上昇曲線を描いている唯一の OS です。

さて、こうした現象はどの地域で起こっているのでしょう。今回は、日本の富士通が 1 位に輝きました。中国やヨーロッパからも参加しています。 世界的な分布を見る時、あるいは、BlueGene のような混合 Linux マシンも含めた Linux が、この状況に与えている影響を考えると、本当におもしろいです。

ランクインされる国々が、時とともに世界的に広がっているのはもちろんですが、興味深いのは、ほとんどが Linux を利用していることです。下の方のグレーの部分は、世界全体の Linux 以外のプラットフォームにおける計算能力です。何か気付きませんか? (ヒント: スパコン分野で国家の多様性に対応できるのは、どの OS でしょう。)

最後に、ここでよいニュースがあります。Linux のおかげで、世界中でますます高度な計算力が実現し、その技術革新の多くが、カーネルに反映されています。スマート グリッド技術を利用したり、温暖化の影響を予測しようとする国々が増えるにつれ、共通のテーマである「高度な計算力へのニーズ」は高まるばかりです。Watson については、ジョパディ! で人間に恥をかかせたこともあり、よくご存じでしょうが、このような技術は、もっと小さなシステムでも利用されています。たとえばビッグ データのように、日頃の業務で発生する問題への対応にも使用されています。

繰り返しますが、これらは Linux にとって重要な数値です。しかし数値以上に重要なのは、Linux の特性です。Linux の場合、すべての人がソースコードにアクセスでき、最適化することができます。最適化したものが共通プロジェクトに返されることで、さらに技術革新が進み、堅牢な好循環が実現する仕組みになっているのです。この機会に、我がプラチナ メンバーである富士通にお祝いの言葉を贈りたいと思います。彼らはスパコンでもエンタープライズ分野でも、すばらしい Linux 研究開発を成し遂げ、今回のスパコン世界ランキングで、みごと第 1 位の座を獲得しました。

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