Press Release
2010年8月17日
The Linux Foundation
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Linux Foundation、「オープンコンプライアンスプログラム」を開始
エンタープライズおよびコンシューマエレクトロニクス業界リーダー企業が
ソフトウェアコンプライアンスの複雑化に対処するための取り組みに参画
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2010 年 8月 10 日 マサチューセッツ州ボストン発
Linux の成長促進に取り組むグローバルな非営利団体である The Linux Foundation (略称: LF) は、OSS(オープンソースソフトウェア)のライセンス遵守に関する包括的な取り組みとして、新しく「オープンコンプライアンスプログラム」を開始しました。
この「オープンコンプライアンスプログラム」は、コンプライアンストレーニング、ツール、コンプライアンス自己診断チェックリスト、ライセンス情報報告のための標準化フォーマットなどが含まれており、企業のOSSライセンスへの準拠を支援し、OSSに関する法的な懸念や不安を取り除き、OSSの導入促進に寄与することを目的とします。
近年、特にモバイルや情報家電製品を中心として、LinuxをはじめとするOSSの活用が爆発的に進んでいます。一方で、今日の複雑なソフトウェアサプライチェーンにおいては、製品に含まれるコードやライセンスを管理することが極めて困難になっており、信頼性があり、中立的で、非営利のコンプライアンスプログラムによるトレーニング、ツール、その他サービスに対するニーズが高まっていました。
この問題に対処するため、The Linux Foundationでは、企業のOSSライセンスに対するコンプライアンス活動を支援するための、トレーニングコース、ツール、自己診断チェックリストの開発を行いました。
また、今回の「オープンコンプライアンスプログラム」には、新たなデータ交換の標準化も含まれており、これにより企業とそのサプライヤーは標準化されたデータ交換フォーマットで、正しくかつ適切にライセンス情報の交換を行うことが可能となります。
本ブログラムの立ち上げ時の参加企業には、Adobe, AMD, ARM Limited, Cisco Systems, Google, HP, IBM, Intel, Motorola, NEC, Nokia, Novell, Samsung, Software Freedom Law Center, Sony Electronicsを含む、30を超えるエンタープライズビジネス、情報家電分野のリーダー企業・団体が含まれています。
これらの企業からのエンドースコメント(英語)を以下でご覧いただけます。
http://www.linuxfoundation.org/node/6536
Linux Foundation のエグゼクティブディレクター Jim Zemlin は次のように述べています。
「Linuxが製品サプライチェーンの隅々まで拡散したことで、ライセンスコンプライアンス管理の複雑性も同様に拡散しています。我々のミッションはOSSの普及拡大を可能にすることであることから、ソフトウェアを管理するライセンスに対するコンプライアンスを維持しつつ、企業としての投資効果を最大化させるための情報、ツール、そしてプロセスを、企業に対して提供するためにこのプログラムを作りました。」
また、Software Freedom Law Centerの創設者でチェアマンのEben Mogeln氏は次のように述べています。
「企業がフリーソフトウェアライセンスの要件に準拠することは、ある特定の競合がそう信じてさせようとしているよりも、ずっと簡単なことです。フリーソフトウェアライセンスは、営利的もしくは非営利的に、コピー、修正、それに再配布がし易いようにデザインされています。ただしそれでも、安価で効果的にリスクを排除するためには、強力なコンプライアンスオペレーション手法がとても重要な役割を果たすことでしょう。The Linux Foundationのオープンコンプライアンスプログラムは、誰もが利用可能で、最善のコンプライアンスオペレーションを可能とし、かつ営利・非営利団体が協力しこういったコンプライアンスオペレーションが更に向上することを助けるでしょう。企業・団体はリーガルアドバイスやトレーニングに加えて、このプログラムへの参加によって、FOSSライセンスコンプライアンスの責任を完全に、かつ極めて安価に、満たすことができるようになるでしょう。」
The Linux Foundationのオープンコンプライアンスプログラムは次の6つの要素から構成されています。
(1) トレーニング、教育
The Linux Foundationは、コンプライアンスに関する、業界でもっとも包括的なトレーニングやコンプライアンス関連情報を提供します。トレーニングでは、OSSライセンスやOSSコンプライアンス活動の基礎からカバーされ、また対象となる受講者(企業経営者、開発者等)に合わせてカスタマイズをすることも可能となっています。
トレーニングは、オンサイト、オンラインの何れでも提供が可能です。
また、コンプライアンス関連情報としては、無償のホワイトペーパー、記事、ウェビナーが提供される予定です。
詳細は以下をご覧ください。
http://www.linuxfoundation.org/programs/legal/compliance
(2) ツール
既に世の中にはソースコードに含まれるライセンスを確認するための商用、またはオープンソースのツールが存在しますが、今回Linux Foundationではこれらの既存ツールを補完し、企業によるコンプライアンス・デューデリジェンスを支援するツールを開発しました。Linux Foundationではこれらのうち2つのツールの初期バージョンを、オープンソースプロジェクトとしてリリースし、多くの開発者による参画を呼びかけています。
これらに含まれるツールは下記の通りです。
・ Dependency Checker
動的、静的リンクのレベルでコードの混在を確認するツールです。加えて、このツールはFOSSコンプライアンス担当者がライセンスの混在やリンク方法に関するポリシーを設定し、ツールがポリシー非準拠を発見した場合にはアラートを出す仕組みをもっています。
・ Bill of Material (BoM) Difference Checker
このツールはソフトウェアのバージョン間でのBoM(部品表)の差分を確認します。これにより、企業は、アップデート製品リリース時に、全コンポーネントでは無く、差分のコンポーネントだけのコンプライアンス確認のみで良くなります。このBill of Material (BoM) Difference Checkerの開発は、2010年中には着手される予定です。
・ The Code Janitor
このツールにより、開発者がソースコード中に将来の製品コード、製品名、競合に関する言及等の不適切なコメントを残していないか確認します。
(3) 自己診断チェックリスト
The Linux Foundationでは、コンプライアンスのベストプラクティスを集めた広範なコンプライアンスの自己診断チェックリストを開発しました。
企業は内部で、自社のコンプライアンスプログラムを他の「ベストプラクティス」と比較し自己評価するために活用します。本チェックリストは2010年中に正式に公開される予定です。
(4) The SPDX™ Standardワークグループ
このワークグループでは、企業が彼らのBoM(部品表)を標準化させ、彼らの製品に含まれているOSS製品を発見し易くし、またラベリングすることを可能とします。
これは情報家電産業のように、様々なサプライヤーから部品を入手し、組み立てて最終製品化する企業にとっては特に重要になります。これにより、OSSを活用する企業はすべて同じレポート方法を使うことになり、ライセンス管理の煩雑さを低減します。詳細は以下をご覧ください。
http://www.linuxfoundation.org/workgroups/spdx
(5) コンプライアンス ディレクトリーおよび即時警告システム
The Linux FoundationではLinux/OSSを商用製品で活用する企業における、コンプライアンス担当者の連絡簿を作成しました。
多くの場合、オープンソースのプロジェクトではソフトウェアを実際に使っている企業で、ソフトウェアに関する問題や懸念を協議するための適切な担当者を見つけることが極めて難しいとされており、今日の市場において特に必要性が叫ばれていました。各企業はコンタクト先をこちらから追加することができます。http://www.linuxfoundation.org/programs/legal/compliance/directory/
(6) コミュニティ
上記の各リソースは、Linux Foundationの既存のワークグループであるFOSSBazzarに加わります。FOSSBazzarとはソフトウェアとコンプライアンス専門家のコミュニティです。
OSSエコシステムは新たな可能性とリスクを包含し進化し続けています。このコミュニティでは、業界はいかにしてこうした進化/変化に対応していくべきかを協議します。The Linux Foundationはこの取り組みに興味があるすべての企業の参加を歓迎します。
本オープンコンプライアンスプログラムに関しては、以下に詳しい情報が掲載されております。
http://www.linuxfoundation.org/workgroups/fossbazaar
■ The Linux Foundationについて
http://www.linuxfoundation.org/
http://www.linuxfoundation.jp/
The Linux Foundationは、Linuxの成長促進に取り組む非営利のコンソーシアムとして、2007年Open Source Development Labs (OSDL) と Free Standards Group (FSG) が合併して設立されました。
主な活動として、Linuxの創始者であるLinus Torvalds氏の活動を支援するとともに、Linuxの普及促進、保護、ならびに標準化に取り組んでいます。
The Linux Foundationの活動は、上記の活動に賛同する、Linuxならびにオープンソース関連の主要企業からのスポンサーシップにより運営されております。
日本のNEC、日立製作所、富士通の各社はLFの設立メンバです。
━━━━━━━━━━━━━━━
◆報道関係者お問い合わせ◆
The Linux Foundation、OSDL、Free Standards Group、ならびにLinux Standard Baseは、The Linux Foundationの商標です。Linuxは、Linus Torvalds氏の日本およびその他の国における登録商標または商標です。その他、記載されているロゴ、会社名、製品・サービス名は、各社が所有するものです。



