2025年6月20日、LF AI & Data Japan RUG (Regional User Group) が主催する2回目のMeetupが、Fujitsu Yokohama Hubで開催されました。日本で初開催されたKubeCon + CloudNativeCon Japan 2025に合わせた一連のコミュニティイベントのラストを飾るもので、多忙なスケジュールの中、多くの技術者・研究者・ビジネス関係者が一堂に会しました。
Mark Collier氏来日登壇:AI × OSSの最新潮流と日本の取り組み
新たにAI & Infrastructure部門のゼネラルマネージャーに就任したMark Collier氏が、Linux Foundation / OpenInfra Foundationとして初めて日本のコミュニティイベントに参加しました。
今回のMeetupでは、LF AI & Dataから来日したグローバルリーダーによる最新情報の共有に加え、日本からもLF AI & Data Japan RUGの活動をリードするメンバーが、日立製作所と富士通より登壇。実際にプロジェクトを活用した経験談や、研究開発やOSSへの取り組みに関する技術的な展望が紹介され、実践的な知見が得られる貴重な機会となりました。
セッションハイライト
LF AI and Data Update [プレゼン資料]
Todd More氏 : SVP of Program Operations, The Linux Foundation
トレーニング、インファレンス、エージェント:AIネイティブの世界におけるアプリケーションのその先へ [プレゼン資料]
Mark Collier氏 : GM of AI and Infrastructure, The Linux Foundation
AIはトレーニングから推論へと重心が移りつつあり、次は自律エージェントの時代へと進んでいます。
OpenInfra FoundationのMark Collier氏は、こうした動きに対応するOSS基盤として、PyTorch (トレーニング)、ONNX RuntimeやKServe (推論)、MCPやA2A (エージェント) の3領域を挙げ、これらがLinuxやKubernetes上で動作する「AIネイティブ」スタックを形成していると語りました。
LF AI & Dataプロジェクトの最新状況&試して分かった知見共有 [プレゼン資料]
伊藤哲氏 : 日立製作所 研究開発グループ
LF AI & Data傘下のプロジェクトの概要を紹介するとともに、実際にいくつかを試用して得られた知見や活用可能性について共有しました。
マルチAIエージェントの産業界での実践に向けたオープンソース活動の展望 [プレゼン資料]
木村功作氏 : 富士通株式会社 富士通研究所 人工知能研究所 AI革新プラットフォームCPJ シニアリサーチマネージャー
富士通では、サプライチェーンマネジメント等のドメインで自律的に動作する複数のAIエージェントの協調作業による問題解決を容易に実現するための研究開発を行っています。その一環としてAIエージェント関連の既存のオープンソースプロジェクトへの貢献を通した活用や、新規技術のオープンソース化等の活動を計画・実施していますので、その内容について紹介しました。
Meetupは、Linux Foundation Japan VPの福安徳晃氏によるクロージングで締めくくられ、多くの参加者にとって実り多いイベントとなりました。
セッション動画
LF AI & DataのYouTubeで全セッションを視聴できます。コミュニティ全体の最新プレゼンテーションをチェックするためにチャンネル登録してください。
Japan RUGの活動と今後の展望
日本のAIエンジニアがオープンソースAI技術でつながり、協力する地域コミュニティJapan RUGは、今後も定期的にイベントや勉強会を開催し、日本のAIコミュニティの活性化とオープンソースAI技術の普及・発展に寄与していく予定です。次回のイベント情報や最新ニュースは、公式サイトやSNSで随時更新されますので、ぜひご確認ください。
本ブログは英語でも公開されています : Event Report: LF AI & Data Japan RUG Meetup #2 – The Future at the Intersection of AI and Open Infrastructure