オープンソース コミュニティと商標 :リプライズ

By 7月 8, 20207月 13th, 2020Blog, Legal, The Linux Foundation

知的財産とその共有方法は、オープンソースの礎となっています。「コード」や「著作権」について議論する方が一般的ですが、特許や商標関連で他にも知的財産に関する懸念事項があり、主要なオープンソースプロジェクトに時間と労力を費やす前に考慮しなければなりません。これらの問題に適用される長期間で作り上げられたプラクティスがあります。オープンソースに携わる企業や弁護士は、何十年にもわたりオープソース プロジェクトの商標問題に取り組み進化させてきました。商標の中立的な管理は、オープン ガバナンスの下で運営されるオープンソース プロジェクトにとって重要な前提条件です。

オープンソース プロジェクトの商標がコミュニティ内の1つの企業によって所有されている場合、制御の不均衡が生じます。 商標の使用は、所有者がアクティブに管理する必要があります。そうでなければ、所有者はその使用を管理する権利を失います。このような統制を行使する排他的権利を留保することは、オープン ガバナンスの基礎となる公平な競争条件を必然的に損なうことになります。これは、商標が商業製品/ソリューションと関連して使用される場合に特に当てはまります。

オープンソース ライセンスでは、誰でもコードをフォークし、自分のバージョンを配布および修正できます。 ただし、商標の動作は異なります。商標は、コードの特定のソースを識別します。例えば、MariaDBがMySQLと同じでないことは誰もが知っています。共通のコードベースから派生したものですが、それぞれ独自のブランドを開発しています。 重要な問題は、企業が自社の製品やソリューションをコミュニティのブランドと関連付けることをいつ許可するかを誰が決めるかということです。

商標とは、ある製品またはソリューションの出所を別のものと区別する「ブランド」を示す言葉、フレーズまたはデザインのことです。 USPTO (米国特許商標庁) は、商標の使用について「ある販売者または提供者の商品/サービスを他のものと区別して識別し、その商品/サービスの出所を表示すること。」と説明しています。米国の商標法では、プロジェクト商標の所有権と、その下にあるオープンソース プロジェクトの管理を効果的に分離することはできません。 これに関して複雑な構造を作る人もいるかもしれませんが、最終的に従うべき重要な原則は、プロジェクト コミュニティがコードの機能性を高めるのと並行して、協力してブランドとして築き上げた商標がどうなるかをコントロールできるようにするべきだということです。

このため、ブランドを重視するコミュニティでは、米国、中国、EU、日本、およびその他の世界各国で、プロジェクトの商標の権利を確保するために、商標保護のための登録も行っています。登録商標には®マークが付きます。これは、™マークがつくコモンローの商標権とは異なります。登録商標を持つことは、コミュニティが実際に構築したプロジェクトとそうでないものとの間のエコシステムにおける不当表示、誤用、混乱からコミュニティをより保護することを可能にするため重要であることが多いです。これは多くの場合、国によって異なる可能性がある登録から生じる特定の利益に基づいています。

Linux Foundationは10年前、Linux以外のプロジェクトのホストを開始しました。当初から、私たちがホストするプロジェクト コミュニティのブランドは重要な資産であり、コミュニティのために保護することを求められてきました。コミュニティの目標や動機はしばしば異なりますが、通常、商標を提供する組織は、自社がLFで設立を支援しているコミュニティに商標が確実に寄付されることを望み、エコシステムの他の参加者は1つの企業が商標の所有権を保持していることを理由にプロジェクト内でできること/できないことを決定することはないとう信頼を求めています。

この中立性こそが、私たちがLinux Foundationのプロジェクトで確立しようとしているものの本質です。Linux Foundationのプロジェクトは中立になるように設定されており、Linux Foundationまたは傘下のプロジェクトが商標を所有しています。その上で、商標に関する決定権をプロジェクト コミュニティに委ね、コミュニティ全体の目標を達成するためにオープンで透明性のある方法で決定します。

例えば、2017年3月にベルリンのKubeConで開催されたミーティングに参加し、Kubernetesに関わる組織が集まる満員の部屋で、商用製品やソリューションと連携してKubernetesを使用している企業に関連して、Kubernetesブランドをどうするかについて議論しました。CNCFのガバナンスを起草する際に、GoogleはLinux FoundationがCNCFの一部としてKubernetesの商標も所有することが重要であると主張しました。これにより、ブランド管理はコミュニティ主導の中立的なガバナンスと連動します。

しかし、LFは、ある企業が自社ソリューションを「Kubernetes」ベースの製品であると言えるべきかどうかを判断する立場にはありませんでした。私たちは、企業や他の組織が、コミュニティのKubernetesリリースのディストリビューションや互換性を示すために商標を商業的に使用できるようにするプログラムを必要としていました。最初のグループは適合したKubernetesディストリビューションを持つことの意味を定義するために、数ヶ月にわたり作業しました。それは、クラウド プロバイダ間の移植性の保証が今日実際に機能する理由でもあります。コミュニティ全体の技術専門家たちは、移植性の保証を実現するために何が必要かを正確に定義しました。そして、専門家たちが確率した適合性の定義は、Linux FoundationにおけるKubernetes商標の中立的な所有権によって裏付けられました。さらに重要なのは、コミュニティがプログラムをコントロールし続けていることです。実際、適合性の定義はKubernetesのSIG Architectureによってコントロールされており、新しいAPIが安定して旧式のAPIが廃止されるたびに、リリースごとに慎重に制御されたプロセスで更新していきます。

私たちがホストしている他のコミュニティでも同じことが起きています。私たちは多くのコミュニティで、プロジェクト コミュニティからリリースされたものとの互換性や適合性とは何かについてのコンセンサスを構築してきました。最近、ちょうどこのトピックについてのブログを書くほど多くのコミュニティです。

これらの例が示すのは、コミュニティがLFの構造内で中立的に商標を管理できるということです。私たちは、これらを「コミュニティ管理商標」プログラムと呼ぶことが多いです。商標はプロジェクトのLFエンティティによって所有され、私たちはコミュニティと協力して商標の使用に関するルールを確立します。

最近、オープンソース プロジェクトと商標の所有権について、新しい話題が出てきました。無理もないことですが、その話題が主要なOSSプロジェクトに関連していたため、オープンソースが商標の問題に対処していないという懸念さえありました。これはそうではありません。動機はさまざまですが、商標法という側面は変わりません。

「商標もLFに管理してもらうことはできるのか?」と聞かれることがありますが、答えはYesです。管理しているプロジェクトについて教えていただけば、コミュニティ管理商標プログラムの立ち上げに何が含まれるかについて理解するためのお手伝いをします。これまでに、世界で最も重要なオープンソース プロジェクトと、少数の人々にとって最も重要なプロジェクトを成功させてきました。おそらく皆さんのお手伝いもさせていただくこともできるでしょう。

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