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Automotive Grade Linux: CES 2018でオープン インフォテインメントとメンバーのデモ20点超を展示

2017年12月22日、サンフランシスコ発 - コネクテッド カー向けオープン プラットフォームのクロスインダストリ共同開発プロジェクト Automotive Grade Linux (AGL) は、本日、最新バージョンのAGLインフォテインメント プラットフォーム “Unified Code Base (UCB) 5.0” が今月中に公開され、メンバー企業による20超のAGLデモとともにCES 2018 で展示されることを発表しました。Automotive Grade Linuxは、The Linux Foundationがホストするオープン ソース プロジェクトです。

Dan Cauchy (The Linux FoundationのAutomotive Grade Linux担当エグゼクティブ ディレクター) は、次のように述べています。
「AGLは主力のオープン ソース車載インフォテインメント プラットフォームとして、今年めざましい成長を遂げました。これを顕著に反映して、実に多くの企業がAGLのデモ ショーケースでベースの製品やサービスを展示します。私たちのメンバーが開発したさまざまなAGLのユース ケースをCESで展示できることに大変興奮しています。」

数十社のメンバー企業の協力で開発されたAGL Unified Code Base (UCB)は、業界のデファクト スタンダートとも言えるオープン ソース インフォテインメント プラットフォームです。業界全体が共通のソフトウェア プラットフォームを共有すればグローバルな開発者エコシステムがさらに成長し、開発者が一度行った製品開発作業を複数の自動車メーカーに適用できるため、分断化が減り、市場投入時間が加速されます。

トヨタ自動車をはじめ、すでに多くのAGLメンバーがUCBを生産プランに統合し始めています。今年発表された 、Entune 3.0搭載2018年新型トヨタ カムリは、米国においてAGLベース システムを搭載して発売される初めてのトヨタ車です。

AGL UCB5.0には、オペレーティング システム、ミドルウェア、およびアプリケーション フレームワークが含まれています。主要機能は以下のとおりです。

  • メディア プレーヤー、チューナー、ナビゲーション、Webブラウザー、Bluetooth、WiFi、HVAC コントロール、オーディオ ミキサー、車両制御などのリファレンス アプリケーション
  • インストルメント クラスター ディスプレイの同時表示
  • 後席ディスプレイを含むマルチ ディスプレイ機能
  • ルネサス、Qualcomm Technologies、Intel、Texas Instrument、NXPなどの各種ハードウェア ボードをサポート
  • アプリケーション テンプレート付きソフトウェア開発キット (SDK)
  • SmartDeviceLink対応で、スマートフォン アプリの統合・アクセスが容易
  • ナビゲーション、音声認識、Bluetooth、オーディオ、チューナー、およびCAN通信向けのアプリケーション サービスAPI
  • 近距離無線通信 (NFC: Near Field Communication) やID管理機能 (多言語サポートを含む)
  • OTA (Over The Air: 無線通信利用) アップグレード機能
  • ロールベース アクセス制御によるセキュリティ フレームワーク

UCBプラットフォームが成熟するにつれ、AGLはインフォテインメント以外の領域にも対象を広げ、テレマティクス、インストルメント クラスター、ヘッドアップディスプレイ (HUD) などについても、UCBを使用してソフトウェア プロファイルを開発しています。今後は、先進運転支援システム (ADAS)、機能安全、自動運転などもサポートしていく予定です。

CES 2018におけるAutomotive Grade Linux

110超のメンバーが所属するAGLは、自動車メーカー、サプライヤー、半導体企業、ソフトウェア メーカー、サービス プロバイダーなどによる大規模なエコシステムに支えられています。これらのメンバーがAGLを統合したデモが、CES 2018で公開されます。

CES 2018の正式な出展者として、AGLはThe Venetianに専用のAGLボールルームLido 3002-3004を確保し、2018年1月9日から12日まで公開します。AGLのボールルームでは、最新のUCB 5.0インフォテインメント プラットフォームのデモのほか、以下のように、15以上のAGLメンバーによるAutomotive Grade Linuxを使用したテクノロジ デモや概念立証 (PoCs) が行われます。

  • Aisin AW: AGLオープン ソース プロジェクトのナビゲーション、および同じサービス インタフェースを使用した製品ナビゲーション。
  • Audiokinetic: AGLプラットフォームに完全統合されたWwise Automotiveのオーサリング・プロファイリング・リアルタイム編集ツールを使用したセーフティ アプリやHMI (ヒューマン マシン インタフェース) 向け聴覚ディスプレイ。
  • デンソー: 自動車用統合HMIプラットフォーム: AGLの全コンテンツ、インストルメント クラスター (IC)、およびヘッドアップディスプレイ (HUD) をハイパーバイザーで1つの統一デザインに。
  • デンソー テン: CANシミュレーターや自動車用各種データ インタフェースを含むAGL自動車データ アーキテクチャ、およびFuegoを使用したAGL Continuous Integration (CI) ツールによる自動デプロイ・テスト・レポート。
  • Elektrobit: 複数のディスプレイ (ナビゲーションとメディア、空調と天気の更新など) やモダリティに対応し、インストルメント クラスターとインフォテインメント用の2つのAGLスタックを利用した実行にも対応する総合的なHMIプラットフォームを特集したコックピット デモ。
  • ForgeRock: 車載パーソナライゼーション、クラウド内のユーザー プロファイル管理、ユーザーと車の認証、安全な車両識別、および車両からクラウドへのデータの安全確保などのAGL識別層。
  • Igalia: WaylandとAGL環境で動く最新版のChromiumブラウザ。デスクトップのChromeと同じHTML5に対応。同じブラウザ上で動作するWebベースのIVIインタフェースのデモも行われる予定。
  • Intel: Intel Transport Divisionは、複数のプラットフォーム タイプ (Automotive Referenceプラットフォーム、Compute Card、工業用Up Squaredボード) のコアOSとアプリケーションに対して同じバイナリを実行するAGLプラットフォームのデモ。
  • LG Silicon Valley Lab: AGL, AGLプラットフォーム拡張版、コネクテッドカー クラウド サービスを実行する3システムの統合ドライビング シミュレーター。
  • Microchip: AGLを実行する集中型ルート ノードでテレマティクス&インフォテインメント ネットワーク システムを構成・制御し、1つのUTP (シールドなしツイスト ペア) ケーブルによるオーディオ、ビデオ、およびIPを管理。
  • NTT DATA MSE: AGL UCBでSmartDeviceLinkを実行してスマート デバイスと車載インフォテインメント システムを接続し、自動車データを有効利用することでドライバーの注意散漫を防止する。
  • Panasonic: ハイパーバイザーを使用したマルチディスプレイHMI技術。マルチレイアウト ウィンドウ技術により3つのディスプレイ間で快適にアプリケーションを移行。車載インフォテインメント (IVI) システムが不安定でも、ICディスプレイの計測値表示を安定させるためにハイパーバイザーを使用。
  • RealVNC: VNC TelematicsやVNC Enhancedのほか、MirrorLink、SmartDeviceLink、Apple CarPlay、Android Auto、Baidu CarLifeなどのポピュラーな標準接続機能を含むコネクテッド カー ソフトウェア。
  • ルネサス: R-Car gen3ベースのアドバンスト パワー マネジメント機能実装、Chromium上で動くクラウド支援アプリ、およびAGL上で動くサイバーセキュリティ管理システム。
  • SafeRide Technologies: ゼロデイ アタックに対する広範な検知・対応機能を実現するコネクテッド カーや自動運転車向けの知能ベース セキュリティ ソフトウェア スタック (AGLオープン スタック使用)。
  • Tuxera: AGLプラットフォーム向けの自動車用データ ストレージ。ブート時間、ストレージ システム情報のアプリ/ツーリング、および集中型IVIストレージ (ブラック ボックス) に対するADAS/バックモニターのフィードバック・データ記録用カメラ アプリなどの機能が改良されている。

なお以下のデモもショーの期間中行われます。

  • デンソー: 自動車用統合HMIプラットフォーム: AGLの全コンテンツ、インストルメント クラスター (IC)、およびヘッドアップディスプレイ (HUD) をハイパーバイザーで1つの統一デザインに。(LVCC, North Hall #7917)
  • Karamba Security: 既知および未知の脆弱性からクルマを守り、AGLシステムへの攻撃を防ぎ、誤検知を失くす。Karamba Security Demo Suite。(Bellagio Hotel)
  • Qualcomm Technologies: AGLの車上デモ (LVCC, Central Hall #10948)、およびその他のAGLベースのデモ: Qualcomm® Snapdragon™ 820A Automotiveプラットフォームにおけるマルチ ディスプレイによるマルチメディア、ナビゲーション、Web閲覧、CAN統合、車載Bluetooth、Wi-Fi接続機能など。 (LVCC, North Hall #5616)
  • Texas Instruments: JacintoTM 6デモ ウォールの一環でTI Jacinto車載用プロセッサを使用したAGLデモ。(LVCC, North Hall rooms N115-N117)
  • Wipro Ltd: 複数の離散したドメインに対応するコンテキスト コネクテッド コックピットのデモ。(Westgate Hotel内のWiproのプライベート スイート)

About Automotive Grade Linux (AGL) について

Automotive Grade Linux は、自動車メーカー、サプライヤー、技術系企業などを結集し、コネクテッド カー向けフル オープン ソフトウェア スタックの開発導入を促進するオープン ソース共同開発プロジェクトです。AGL はその中核にある Linux の強みを生かし、新しい機能や技術の高速開発を可能にする業界デファクト スタンダートのオープン プラットフォームをゼロから開発しています。AGL は、当初はおもに車載情報機器 (In-Vehicle-Infotainment: IVI) を対象にしていましたが、計器盤、ヘッド アップ ディスプレイ、テレマティクス、先進運転支援システム (Advanced Driver Assistance Systems: ADAS)、自動運転などあらゆる車載ソフトウェアへの対応を予定している唯一の組織です。AGL プラットフォームは誰でも使用でき、誰でもその開発に参加できます。詳細情報はこちらです。https://www.automotivelinux.org/

Automotive Grade Linux は、Linux Foundation 協業プロジェクトです。Linux Foundation 協業プロジェクトは独立した資金によるソフトウェア プロジェクトで、共同開発の力で業界やエコシステム全体のイノベーションを推進しています。www.linuxfoundation.org

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The Linux Foundationはさまざまな商標を登録および使用しています。The Linux Foundationの商標一覧はこちらのページでご確認いただけます。LinuxはLinus Torvaldsの登録商標です。

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