Civil Infrastructure Platformが自動化、機械学習、およびAIを進化させる新たな超長期サポート版カーネルを発表

CIPの新しいSLTSカーネルはサポート アーキテクチャを拡張し、ARM64にも対応

2019年2月25日 サンフランシスコ発 - 産業グレードのオープンソース ソフトウェア コンポーネント、ツール、メソッドなどの基本レイヤを通じてインフラ システムの長期管理を可能にするCivil Infrastructure Platform (CIP) プロジェクトは、本日、超長期サポート版(SLTS)カーネルを発表しました。この新しいカーネルは、64ビットのArm® Cortex向けにアーキテクチャ サポートを拡張するため、開発者は自動化、機械学習、人工知能などのさまざまなユースケースで使用できます。

信頼性、接続性、および豊富な機能性への要求が高まるにつれ、社会インフラ システムの実装や維持に必要なソフトウェアの量は、未曾有の水準に達しています。これらのシステムは現代社会の基盤であり、世界中のコミュニティや産業のインフラを監視、制御、および運用する役割を、いたるところで担っています。このため、安全性、セキュリティ、および信頼性の要件を満たすための特殊な課題があり、更新作業が継続的に行われる必要があります。

Linux FoundationプロジェクトであるCIPがめざしているのは、産業グレード ソフトウェアとユニバーサルOSによってLinuxベースの社会インフラ システムの実装を加速すること、既存のオープン ソース基盤や知識を活用すること、基本レイヤのリファレンス実装を提供してデファクト スタンダードを確立すること、および産業ニーズ関連のアップストリーム プロジェクトに貢献し、影響を与えることです。

CIPの技術運営委員会議長で東芝のオープンソース技術部長である小林良岳氏は、次のように述べています(参考訳:原文はこちら)。
「私たちの安全な毎日は、技術システムによって成り立っています。通常それらはLinuxベースのシステムで、10年以上にわたってメンテナンスされる必要があります。社会インフラ システムを円滑に提供することは極めて重要です。そしてSLTS CIPカーネルは、その持続性を数十年先まで延ばすのを助けてくれます。カーネルは新たにArm64にも対応しているため、将来の私たちの生活を支えるさまざまなアプリケーションに適用可能です。」

業界を超えたコラボレーションと開発

リアルタイムLinuxは、産業グレード システムの重要な要素です。リアルタイムの管理とデータに加え、産業用システムには安全性、セキュリティ、信頼性が必要です。そのため、CIPは、Linux Foundationの新しいプロジェクトEnabling Linux in Safety Applications (ELISA) とコラボレートする予定です。ELISAは、Linuxベースのセーフティクリティカルなアプリケーションやシステムの構築・認証を支援する共通のツールやプロセスを作成するオープンソース プロジェクトです。セーフティクリティカルなアプリケーションやシステムに不具合があれば、人命の損失、重大な物的損害、環境被害などにつながる恐れがあります。ELISAは、SIL2LinuxMPプロジェクトやReal-Time Linuxプロジェクトによる成果をベースにしており、Linuxを用いたセーフティクリティカル システム(ロボット デバイス、医療、スマート ファクトリー、輸送、自動運転など)の構築を容易にします。

Linux Foundationの戦略プログラム担当シニア ディレクターであるKate Stewartは、次のように述べています。
「産業・インフラ環境で稼働する組込みシステムに必要な安全と信頼性には、長期的なメンテナンスとサポートが欠かせません。ELISAでは、このイニシアチブを成功させるために、CIPのような広範なLinux Foundationコミュニティと協力していきます。Linuxベースのセーフティクリティカル アプリケーションの認証を支援するためのプロセス確立やツール作成について、CIPやそのメンバーとともに取り組めることを楽しみにしています。」

またCIPは、開発プロセスの特定側面の管理を助けるために、新しいワーキング グループを2つ立ち上げました。

Securityワーキング グループは、サイバー セキュリティの問題に対処するのに役立つさまざまなセキュリティ標準と連携します。ルネサス エレクトロニクスが率いる同ワークグループの焦点は、サプライヤがIEC 62443-4-x規格の使用を認証することです。この規格は、工業製品にとって最も重要なセキュリティ仕様の1つです。彼らは、利用可能なさまざまな規格を基準に認証することで、CIPプラットフォームを最新の状態に保ち、明確に定義された認証プロセスを作成して、サプライヤの開発時間とコストを最小限に抑えます。

Software Updateワーキング グループは、産業グレードのオープンソース基本レイヤを統合・強化する堅牢なソフトウェア更新ツールを提供します。東芝が率いる同ワーキング グループは、ソフトウェア アーキテクチャに焦点を絞り、選ばれたソフトウェアをCIP Coreで使用されるLinuxイメージ ビルド ツールに統合し、ソフトウェア更新リファレンス ボードを実装します。

CIPは、Codethink、サイバートラスト、日立製作所、Moxa、ぷらっとホーム、ルネサス エレクトロニクス、Siemens、東芝など、世界の革新的業界リーダー企業によって推進されており、Linux Kernel LTS、Debianプロジェクト、KernelCIなどの他のオープンソース プロジェクトと緊密に協力しています。多くのメンバーがSLTS CIPカーネルのサポートを計画しています。たとえばルネサス エレクトロニクスは、RZ / G2 MPUがCIP Linuxパッケージの認証・リリースに対応するArm64向けリファレンス ハードウェアとなることを発表しています。

CIP SLTSカーネルのソースファイルはこちらです。
https://git.kernel.org/pub/scm/linux/kernel/git/cip/linux-cip.git/log/?h=linux-4.19.y

CIP に関する参考サイト

CIP について

Civil Infrastructure Platform (CIP) は、Linux Foundationがホストするオープン ソース プロジェクトです。CIPプロジェクトは、産業・社会インフラの安全性や信頼性などの要件を満たす再利用可能なソフトウェア構成要素の使用・実装を実現するために、産業グレード ソフトウェアのオープン ソース基本レイヤ確立に取り組んでいます。詳細については、https://www.cip-project.org/を参照してください。

Linux Foundationについて

2000年に設立されたLinux Foundationは、1,000を超えるメンバーにサポートされており、オープンソース ソフトウェア、オープン スタンダード、オープン データ、およびオープン ハードウェアに関するコラボレーションにおいて世界をリードしています。Linux、Kubernetes、Node.jsをはじめとするLinux Foundationのプロジェクトは、世界のインフラに必要不可欠な存在です。Linux Foundationは、ベスト プラクティスを活用し、貢献者、ユーザー、およびソリューション プロバイダーのニーズに対応することにより、サステナブルなオープン コラボレーション モデルを生み出しています。詳細については、linuxfoundation.orgをご覧ください。

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