本プレスリリースは、Automotive Grade Linux Launches New Expert Group Led by Toyota to Help Automakers Manage Open Source Activities の参考訳です。
新しいオープンソースプログラムオフィス エキスパートグループにより、自動車メーカーとサプライヤーはベストプラクティスを共有し、業界全体のエンジニアがオープンソースソフトウェアに貢献しやすくなります
2024年11月14日 サンフランシスコ発 ー ソフトウェア定義車両 (SDV) 向けのオープンソース プラットフォームを開発する業界横断的な共同プロジェクトAutomotive Grade Linux (AGL) は、新たにオープンソース プログラム オフィス (OSPO) エキスパート グループ (EG) を結成しました。トヨタ自動車が主導するOSPO EGは、自動車業界内でのOSPOの設立を促進し、OSPO 間の情報やベスト プラクティスの共有を奨励します。
自動車メーカーがソフトウェア開発により多くの時間とリソースを投資するにつれて、オープンソースソフトウェアは自動車業界全体で普及してきました。トヨタ自動車やSUBARUなどの自動車メーカーは、インフォテインメントや計器クラスター アプリケーションにオープンソースソフトウェアを使用しています。自動車業界におけるその他のオープンソースアプリケーションには、研究開発、テスト、車両とクラウド間の通信、フリート管理などがあります。
Automotive Grade LinuxのエグゼクティブディレクターであるDan Cauchyは、次のように述べています。
「従来、オープンソースコミュニティにコードが還元されることはほとんどありませんでした。多くの場合、これは、オープンソースへの貢献をサポートするための社内手続きやITインフラストラクチャが整備されていなかったためです。SDVの台頭により、自動車メーカーはオープンソースソフトウェアを使用するだけでなく、貢献する傾向も高まっています。多くの組織は、ビジネス目標をより適切にサポートするために、オープンソース活動を合理化および組織化するOSPOも設立しています。」
トヨタ自動車、本田技研工業、ボルボなどの自動車メーカーは、すでにオープンソースプログラムオフィスを設立しています。新しいAGL OSPO EGは、課題を共有し、解決策を共同で検討し、情報を交換し、他の自動車メーカーが独自のOSPOを構築するのに役立つベストプラクティスを開発するための中立的な場を提供します。
トヨタ自動車株式会社 オープンソースプログラムグループ (TOYOTA OSPO) グループ長である遠藤雅人氏は、次のように述べています。
「トヨタ自動車は、10年以上にわたりAGLおよびより広範なオープンソースコミュニティに参加してきました。当社は今年、社内でオープンソースソフトウェアの使用を促進し、貢献の方法と場所についてガイドするためにOSPOを設立しました。他のオープンソース リーダーと協力して共通の問題を解決し、ベスト プラクティスで協力し、自動車業界におけるオープンソース活動を活性化することを楽しみにしています。」
AGL OSPO EGはトヨタ自動車が主導し、パナソニックとアイシンの支援を受けています。グループの目標は次のとおりです :
- 企業がオープンソースプログラムオフィスを立ち上げることを奨励し、支援する
- 課題とそれを解決するためのソリューションを共有する場を提供する
- 一般的な課題に対するベストプラクティスを公開する
- AGL以外の企業の参加を促す
- メンバー企業がAGLプラットフォーム (および関連プロジェクト) にコードを貢献することを奨励する
- 次の項目についてオープンな議論を奨励する:
- 自動車環境におけるアップストリームファースト開発モデルの課題
- オープンソースを使用する際のビジネス環境の制限への対処 (輸出管理や独占禁止法など)
AGLオープンソースプログラムオフィス エキスパートグループの詳細と参加方法については、こちらをご覧ください。
トヨタ自動車、ボルボ、本田技研工業、パナソニック、ボッシュのエグゼクティブがAutomotive Linux Summit 2024で、自動車業界におけるOSPOに関するパネルディスカッションに参加しました。
Automotive Grade Linux (AGL) について
Automotive Grade Linuxは、自動車メーカー、サプライヤー、技術系企業などを結集し、コネクテッド カー向けフル オープンソフトウェアスタックの開発導入を促進するオープンソース共同開発プロジェクトです。AGLはその中核にあるLinuxの強みを生かし、新しい機能や技術の高速開発を可能にする業界デファクトスタンダートのオープンプラットフォームをゼロから開発しています。AGL は、当初はおもに車載情報機器 (In-Vehicle-Infotainment: IVI) を対象にしていましたが、現在は、計器盤、ヘッドアップディスプレイ、テレマティクス、先進運転支援システム (Advanced Driver Assistance Systems: ADAS)、自動運転などあらゆる車載ソフトウェアに対応している唯一の組織です。AGLプラットフォームはすべての人が利用でき、誰でも開発に参加できます。Automotive Grade Linuxは、Linux Foundationがホストしています。詳細については、automotivelinux.orgをご覧ください。
- LF Research調査レポート「OpenSearchの認知と理解に関するレポート」を公開 - 2024-12-11
- OpenSearchの認知と理解に関するレポート - 2024-12-10
- FINOS & LF Research 調査レポート「金融サービスにおけるオープンソースの現状 – 2024」を公開 - 2024-12-09